2.脊椎アライメントとQOLSpinal alignment and QOL
2.脊椎アライメントとQOL
脊柱変形は脊椎のアライメント(せぼねの形)の悪化として評価します。いろいろな部位でアライメントは悪化することがありますが、その結果として図Aのように仙骨上縁(せんこつじょうえん)から引いた水平線と第7頚椎から引いた垂線との距離:Sagittal Vertical Axis (SVA)が長くなります。これは体が前に傾いていることを示しています。このSVAが50㎜を超えると健康関連Quality of life(生活の質)に影響し、生活に支障が生じることが知られています。
この原因は加齢性変化、筋力の減少や骨粗鬆症による椎体骨折など様々なものがあります。一般住民健診の結果では、脊柱の変形は60歳代から70歳代より始まる可能性が高いとされています。もちろん、このSVAの大きさが全てではありませんが、歩行や姿勢保持が困難となり健康関連QOLに著しい障害が出現している場合には、図Bのように矯正手術によりSVAを小さくすることで脊柱全体のアライメントを整える手術が必要となる場合あります。このように脊柱のアライメント(せぼねの形)と生活の質には密接な関係があります。