5.パーキンソン病に伴う脊柱変形Parkinson's disease

5.パーキンソン病に伴う脊柱変形

パーキンソン病

 パーキンソン病は振戦(ふるえ)、筋固縮、動作緩慢などの運動症状を生じる神経の病気で進行すると歩けなくなり寝たきりとなります。近年ではパーキンソン病にはさまざまな症状が生じることが報告されていますが、その症状のなかでも姿勢の異常や脊柱変形は痛みや生活における障害の大きな原因となります。

パーキンソン病による脊柱変形

 パーキンソン病ではstooped postureといわれる特徴的な姿勢をとりますが、さらに重度になるとCamptocormia(図1)、Pisa症候群(図2)と呼ばれる重度の脊柱変形が生じます。これらは比較的重症なパーキンソン病患者に生じることが知られています。治療については投薬などのパーキンソン病自体の治療が行われますが、脊柱変形に対しては無効であることも多くあります。変形による症状が重度の場合は手術加療が選択されることもあります。

図1.Camptocormia例のX線像
起立時に体が前に曲がっている。
図2.Pisa症候群
起立時にPisaの斜塔(世界遺産イタリアの「ピサのドゥオモ広場」に位置する)のように体が横に曲がっている。